ギャンブル依存症|症状・治療について|京都府立 洛南病院(公立単科精神科病院)
IR関連法による「カジノ解禁」で、にわかにギャンブル依存症が注目されるようになりましたが、カジノがなくても日本は世界一の「ギャンブル大国」です。その原因は、パチンコ・パチスロです。パチンコ・パチスロは、国際的には「ギャンブル用電子的ゲーム機械(EGM)」に分類されます。EGMは、強烈な画像と音響が勝ったときの高揚感を強化するので「もっとも依存症誘発的なギャンブル」に分類され、海外では「カジノ」など限定的な場所でしか認められていません。全国どこへ行ってもEGMが気軽にできる日本は、悪い意味で世界から注目を浴びています。実際に、日本のギャンブル依存症の80~90%はパチンコ・パチスロ依存症で、法律、行政の側からの対処も求められているところです。ギャンブル依存症は、薬物という異物が体内に入らないので、病気として受け止められない傾向があります。しかしギャンブル依存症も、ドーパミンという物質を媒介にして脳に障害を引き起こす脳疾患であり、覚せい剤依存症などと同様に深刻な病気です。また、薬物は身体が受けつける量に限界があるので、そこにつぎ込むお金にも限度があります。しかしギャンブルはしようと思えば無限にできるので、つぎ込むお金に限度がありません。このため、経済的破綻や借金問題は、ギャンブル依存症に付きまとう、深刻な二次災害になっています。症状特定のギャンブル行動への渇望が唯一の症状です。背景にうつ病や発達障害が隠れていることも多いので、併発疾患の症状にも注目する必要があります。治療方法患者様の強い要望があれば、ギャンブルから距離をとるための1か月入院を許可することもありますが、治療は基本的に外来で行います。心理療法、薬物療法、作業療法、生活環境調整を、患者様の必要度に応じて組み合わせて実施します。ギャンブル依存症の治療では、心理療法の占めるウェイトが大きくなります。依存症治療専門病院では、ギャンブル行動を防ぐために特化されたプログラムが準備されています。支持的精神療法、心理教育、個人心理療法、認知行動療法的心理療法、条件反射制御法など、様々なプログラムの中から、その患者様にあったプログラムを組み合わせて、ギャンブル行動防止のための治療を実施していきます。克服のポイントギャンブル依存症は、借金地獄に陥り、家庭崩壊を招きかねない深刻な病気です。まずは、その事実から目を背けないことが克服への第一歩です。 ギャンブル依存症は、脳障害を基礎とした疾患であることがわかっています。医学的治療が必要です。精神科医療機関に相談されることをお勧めします。 ギャンブル依存症は、ギャンブル行動をいったんやめても、またしたくなることが必ずあります。依存症治療専門病院では、ギャンブル行動の再発を防ぐための様々な治療プログラムが準備されています。当院もその一つですので、ぜひご利用ください。 症状別チェック一覧に戻る
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