ギャンブル依存症 – 地方独立行政法人 岡山県精神科医療センター
ギャンブル依存症(ギャンブル障害、病的賭博)についてギャンブルに「ハマる」、「夢中になる」という経験をされたことがある方は多いかもしれません。家庭や学業、仕事などに影響が出ない範囲でギャンブルを楽しむ分には何の問題もありません。しかしギャンブルに夢中になりすぎて、家庭や学業、仕事に影響が出てしまっているのに、借金をして、周囲に嘘をついてまでギャンブルを続けてしまうことがあります。このような状況になることをギャンブル依存症(ギャンブル障害)といいます。ギャンブル依存症になると、苦痛を感じながら、自分を責められながら、大切な家族、友人の信頼を失いながらも、ギャンブルを続けてしまい、自分で止められなくなってしまいます。日本人の約5%が、一生のうちに一度はギャンブル依存症で苦しまれていることがわかっています。ギャンブル依存症は、アルコール依存症や薬物依存症と同じ病気です。ご自身の意志や根性だけでは回復することは困難です。当センターでは、ギャンブル依存症の方への外来治療を提供しています。また、ギャンブル依存症専門治療プログラム「SWITCH」を2016年より開始しています。外来通院では、医師による診察と専門治療プログラム「SWITCH」に加えて、自助グループ(ギャンブラーズアノニマス)の紹介、ご家族が依存症について理解を深めるためのプログラムを行っています。当院のギャンブル依存症診療当院には毎月およそ5~10名ほどのギャンブル依存症患者さんが新たに受診されており、(1)精神科医の診療、(2)ギャンブル依存症回復プログラム「SWITCH」による治療を提供しています。(1)精神科医の診療ギャンブル依存症に苦しまれる方の中には、うつ病や不安障害、発達障害などの精神障害を同時にお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。精神科医による診療ではギャンブル問題を少しでも小さくするためのアドバイスに加えて、これらのような精神障害に対する治療も同時に行います。(2)ギャンブル依存症回復プログラム「SWITCH」「SWITCH」とは全8回のプログラムです。専門の治療者が患者さんと1対1で行います。プログラムのスケジュールは患者さんのご都合に合わせることが可能です。ギャンブルをやめたいけどなかなかやめられない、または周りからギャンブルをやめるように言われるけどなかなかやめられない方々にとって、やめるためのヒントを一緒に学んでいくプログラムです。「SWITCH」の内容「SWITCH」では、ギャンブルがなかなかやめられない原因を、脳からみた場合、行動面からみた場合、感情面からみた場合、思考面からみた場合など、様々な側面から検証していきます。そして、それらを明らかにしながら、具体的な対策を立てていきます。セッション1:引き金と行動 セッション2:メリット・デメリット セッション3:脳の回復段階 セッション4:気持ちと行動の変化 セッション5:思考のクセ セッション6:ギャンブル代計算 セッション7:自分史 セッション8:これからの生活 当院のギャンブル依存症治療成績ギャンブル依存症は慢性で再発性の病気です。ですからギャンブル問題がなくなるかどうか、だけでなく、治療を続けられるか、ということも、とても大切です。当院のギャンブル依存症回復プログラムに参加された患者さんのうち、治療を継続される方は約60%、ギャンブル問題が止まっている方は約50%です。ギャンブラーズアノニマス(GA)のご案内同じ依存症に苦しまれる患者さん同士で話し合うこと、助け合うことが、依存症からの回復にとても効果的だと言われています。ギャンブル依存症にもギャンブラーズアノニマス(GA)という自助グループがあります。専門医療機関での治療と自助グループへの参加を組み合わせると、治療効果はより一層高まります。GA日本インフォメーションセンターhttp://www.gajapan.jp/岡山県、中国地方のGA会場http://www.gajapan.jp/jicmp-ojp.html
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